2011年1月6日木曜日

新年のご挨拶、お勧めのお店「かざり屋」、「一文字屋和輔」

皆さま、新年明けましておめでとうございます。

 お正月はいかがお過ごしでしたでしょうか? 今年の京都の元旦は、何年ぶりかの雪景色の中で迎えることになりました。市内にたくさん雪が積もるのは珍しいですね。久しぶりの雪を満喫いたしました。街角のいたるところに大量生産された雪ダルマ。真っ白な屋根。人通りの少ない路地道は雪に埋まり、足跡が点々と。車道には車の轍が灰色に。こういった景色、本当に珍しいです。京都が雪に埋まったのは元旦よりもむしろ大晦日のほうだと思いますが、できることならその日に嵐山に雪見に行きたかったですね……。紅葉の嵐山もいいですが、個人的には嵐山、雪中の竹林の道が最も綺麗な景色の一つだと思っています。大晦日というバタバタした日でいけなかったのが本当に残念。

 さて、元旦。
 初もうでは今宮神社に行って帰りに船岡山で朝日を見る、というのが、ここ数年の私の行動パターンなのですが、今年は雪で足元が悪かったので元旦は取りやめ。二日、三日にあちこち詣でてまいりました。とはいえ、まずはじめは今宮神社。他に有名な神社がたくさんあるので府外の方はご存じないかと思いますが、知っていただいて損はないところだと思います。神社ではなくて近くのお団子屋さんを(神社にもお参りしていただきたいですが)。
                         (今宮神社 正門から)
 今宮神社は1000年くらいの歴史をもつ神社で、もともとは疫病払いの神社なのですが、末神に機織りに関係する神様もお祭りしていることから西陣界隈の染屋がよくお参りしている神社でもあります。うちの氏神様でもあるので初もうでは毎年この神社に。神社近くの学校に通っていたこともあり、私にとっては遊び場みたいなものだったのですが、この縁はまだまだ続きそうです。この神社に不満を上げるとすれば、おみくじの出目が悪すぎるということでしょうか。
 この神社でこれまでかなりの回数のおみくじを引いているのですが、今までで最高のくじは「吉」。あとは「末吉」とか「半吉(なんだこれは)」とかばっかり。「凶」を引いた時もありました。いまだ大吉出ず。……凶より出にくい大吉ってなによ。「半吉」とかわかりにくい札をつくるくらいならもっと中吉とかを増やしてよ、と常日頃思います。
 そして今年の私のおみくじは「半吉」。
 ちくしょう。
                       (今宮神社境内 中央舞殿)
 ……皆さま、おみくじで悪い札をひいたらどうしてますか?
 いい札を引くまで引きなおしますか? 私も大学受験の年、「末吉」を引いたときに「今年は末吉」じゃ困る」ともう一度引きなおしたことがあります。もう一回列に並んで、巫女さんがおみくじの入った箱を手渡してきたとき、「この箱じゃなく」ともう一つの箱を指さして「こっちで」と取り替えてもらい、せめて「吉」来い、と振ったくじの番号は見覚えのある数字。
……一回目と全く同じくじをもらって帰りました。巫女さんがちょっと半笑い気味だったのを覚えています。合格したので今ではいい思い出ですが……。                          (今宮神社 拝殿)
 毎年ささやかながらお祭りや神輿などがあり、雑誌で取り上げられることもあるようですが、その時、セットで二つのお店が紹介されることがあります。ご存知の方もいらっしゃるかもしれません。
 「かざり屋」、「一文字屋和輔(個人的には一文字屋、略称は一和)」です。
 今宮神社の東門の隣に建つ二つのお店。
 商っているものは「あぶり餅」。「あぶり餅」しか売っていません。両方とも。年がら年中「あぶり餅」。かざり屋は江戸時代から、一和にいたっては平安時代中期に創業したとかいう凄まじい歴史を持つお店です。……平安時代て。
 まぁ、それはともかく。
 このあぶり餅がお勧めの一品。
                (右手が「かざり屋」、左手が「一文字屋」です)

 黄粉を絡めた白味噌のたれはやや甘め。竹串にさしたお餅を絡めていただきます。
 焦げ目がついた餅は芳ばしく、後味はすっきり。だからお茶によくあう。
 高校時代、私の甘味分の三割はこのあぶり餅から取っていたといっても過言ではありません。
 もともとは無業息災の縁起物として売り出されていたそうですが、味もお勧めの逸品。どれくらいおいしいかといいますと、たとえば私が「今宮さん行ってくるわー」と言うと、「帰りにあぶり餅買ってきてー」とノータイムで返事が返ってくるくらいのおいしさです。

 もし今宮さん近くに来られる機会があればあぶり餅。
 是非、お試しいただければと思います。

 それでは皆様、本年もよろしくお願いいたします。
 失礼いたしました。 
Art Fiber Endo 商品企画室 / 遠藤染工場 Colour Lab