2008年5月29日木曜日

Colour labの日常(1)

ブログをご覧になっているみなさん、こんにちはっ。

 今日はA.F.E商品企画室からではなく、遠藤染工場のColour Labからお届けします。
 さて、このColour Lab。
 いったい何をするとこなのかといいますと、A.F.E及びA.F.E以外の外部企業(アパレル企業、繊維資材卸など)から注文される特注色(以下、別色)の色出しをするところだったりします。
 
 具体的に書くと……例えば今、皆さんがお召しになっている服を見ていただくと、生地にいくつか装飾品がついていないでしょうか? 例えば、それはレースだったり、リボンだったり裏打ちのテープだったり、あるいはもっとほかのものがついているかもしれません。
 もしその装飾品が生地の色に「ぴったり」とあっているなら、それは「別色」として注文され、染められたものです。Colour labは業者から指定された素材に、その別色を定着させるための染め方を選び、どんな染料を用いるか、分量をどうするか、そのやり方で堅牢度を保持できるのか。それらを試験し色を出したのち、現場にそのデータを渡すことが大まかな仕事の内容です。

 要するに「色をつくっているところ」ですね。ですので日常的に多くの色を目にする機会があります。

 さて、別色をつくるにしても、目的とする見本がないと非常に難しい作業になります。特に、「感性に訴えかけてくる」注文は、時として現場を凍りつかせます。例えば、今回はA.F.Eの「スパンコール糸」で、
「これ、もう少しエメラルドっぽくして」
 という、見本なし、指示のみ、補足説明なし、というこちらの感性を試しているかのような色出要求がありました。
(……エメラルドっぽくって具体的には……?)
 十分、緑緑していたスパンコールを前に、あれこれ考えて「色に深みがない」と解釈。染料の選定からやり直し再試験開始。
 出来上がりを前に上司が一言。
「う~ん、やっぱりエメラルドっぽくないわー」

 四回目の試験結果でOKが出ました。


 ……はい。難しいですね、色出しは。ここまで自由な色出しを要求されることはあまりないですが、大なり小なり別色には難儀な注文が付いてまわります。
 ですのでみなさん、もし新しい服を買いに行かれた時、いい感じの服に生地ぴったりの素材がくっついていた時、「あぁ、どこの染屋かはわからないけど、苦労して合わせたんだろうな」と一瞬でも思っていただけるなら本当に幸い。

 ちょっと長くなってしまいました。今日はここまでにしたいと思います。
 それでは、また次のブログで。失礼しました~。

Art Fiber Endo 商品企画室 / 遠藤染工場 Colour Lab

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