2009年8月20日木曜日

第四回 色についてのあれこれ「抹茶」

ブログをご覧の皆さまこんばんはっ。


盆も過ぎたというのにまだまだ染場が暑いです。秋はまだか。
今日もColour Labからお届けします。第四回色についてのあれこれ「抹茶」。
はじめたいと思いますー。

「抹茶(まっちゃ)」  お抹茶の色です。
 以上。


 ……。
 …………。
 ………………すいません、仕切りなおします。


 この抹茶色、JIS規格に規定されているほど有名な色なのですが、名前の背景があまり明らかではありません。お抹茶の色、ということですから、この名は茶の湯が民衆にも定着した江戸時代以降に加えられた色だと思います。茶の湯では「濃茶」と「薄茶」がありますが、色の質からして抹茶色は「濃茶」ではなく「薄茶」のほうからとられたのでしょう。

 茶が伝来した時の飲み方は「濃茶」のほうが主流で、楽しむというよりは薬用として飲用されていたそうです。その後、茶の湯が広まるにつれて手ごろな価格と飲みやすさで薄茶が飲まれるようになり、庶民にも定着しました。
 そして、だからこそ、「抹茶」の色は「濃茶」ではなく「薄茶」からとられたのだと思います。庶民が色の名前を決めたのだと(さらりと書きましたが、これはものすごく重要なことだと思っています。そのあたりのお話は後日)。 
 芸術でもあり、娯楽でもあった茶の湯を確立させた千利休は色名にも非常に大きな影響をもたらしました。彼の名前は色の名でも残され、緑がかった色には「利休」の名がつけられているものがあります。利休色、利休茶、利休鼠、利休白茶、利休生壁など(利休白茶はちょっと違うかもしれませんが)。実は、抹茶色は利休色と同じものだという説もあるのですが、ここでは利休色と抹茶色は別物として扱わせていただきます。なんか、もったいないように思いますので。

 とはいえ、抹茶色。落ち着いたいい色だと思います。

 次回の色は48茶100鼠の一色、「桑茶」を紹介したいと思います。
 ……ほかの色にするかもしれませんが(←ならなぜ予告をする)。

 ちょっと短いような気もしますが普段が長すぎるのでしょう。
 第四回、色についてのあれこれ「抹茶」。
 ここまでにしたいと思います。
 読んでくださった皆様、ありがとうございました。次のブログでお会いしましょう。それでは……。

遠藤染工場 Colour Lab / Art Fiber Endo 商品企画室

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