2010年3月15日月曜日

染色するときの注意 (同じ風に染めているのに色が合わない!)

 ブログをご覧の皆さま、こんばんは。

 今日はColour Labからのお届けになります。ここ数カ月、染め場のほうが少し忙しくて更新が追いつきませんでした……orz。更新したいことはたくさん溜まっていますので、少しずつでもお知らせしたいと思います。どうかお暇な時にでも読んでいただければと思います^^;。

 さて。
 A.F.Eには自分で染めをされているお客さまも多く訪れてくださるのですが、自分の思った通りに染めあがらない、ということをお聞きすることがあります。それは思ったような色に染めあがらないとか、染めムラができてしまうとか、そいう話ですね。
 その中で、「前と同じ色に染められない」という話もちらほらと聞こえてきます。たとえば織りをされておられるお客様なのですが、織っていったらあと少し、というところで糸が足りなくなってしまった。同じ色をもう一度染めようとチャレンジしたのだけれど、突拍子もない色になってしまってどうしようかと悩んでおられる……というお話です。実は、同じ色に染めあがらない原因というのはいくつも考えられるのですが、このことについて少しお話したいと思います。

 染めについて詳しくない方もおられると思うので、簡単に説明しましょう。
 基本的に染めは、染料を水に溶かして、その染料の溶けた水(以降、染液と記述します)に糸やレースや布を入れ、その染液を加熱して、繊維に染料を固着させる作業のことをいいます。糸の素材(ナイロン、麻、絹、ポリエステル、などなど)によって、染めの温度や投入する薬剤は変わりますし、染め終わった後、素材の種類によって異なった後処理を行わなければならないのですが、染料を水に溶かして、糸を入れて加熱するという作業は基本的にどの素材でも変わりません(特級の例外はありますが)。
 染料の投入量は染める糸の重量に依存します。糸の重量に対して、投入する染料は何パーセント、という風に使う染料量を決定します(例1: たとえば、1kgの糸を染める時、黄色の染料は糸の重量に対して0.5%、赤色の染料は1%、青色の染料は0.2%というふうに)。前回と同じ色を染めで再現するためには、使用する染料のパーセントは前回と同じにしないといけない、ということはお分かりいただけると思います(たとえば、前回が例1と同じ染めを行ったとして、その色を0.5kgの糸で再現する時も、染料のパーセントは前回と同じように、糸の重量に対して、黄色:0.5%、赤色:1%、青色:0.2%としなければならない)。

 お店で「前と同じ色が染められないわー」というお客さまも、ここはきちんと押さえておられました。
 薬剤の量も問題なさそうです。温度も、後処理もきちんと同じように。では何が悪かったのでしょうか? 話を簡単にするために、糸や染料のロットも前回と同じ、昇温速度も前回と同じ曲線を再現していたと仮定しますね。

 その答えは次のブログでお知らせしたいと思います。興味のある方は少しお考えくださいませ。

 では、皆様。
 次のブログでお会いしましょう。失礼しました。

遠藤染工場 Colour Lab / Art Fiber Endo 商品企画室

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