2008年8月12日火曜日

染料のお話(4)

ブログをご覧の皆様、こんばんはっ。

 暑い日が続きますね…。熱水や蒸気が出る工房はもうサウナの中のような暑さです。たまりません。今年も強制ダイエット、絶賛継続中です(ぉぃ。
 さて、今日もColour Labからのお便りです。お話は前々回の続きからですね。もうタイトルとは関係のない話になっているような気がしますが、このまま突き進みたいと思います。その前にちょっと前置きを。

 以前お話ししたかもしれませんが、私が所属するColour Labは主に色出しに特化した部門になります。ここはアパレル企業から依頼される特注色を出すための染料の組み合わせを見つけたり、A.F.E商品の色を作るのが主な仕事になります。双方とも、「染められた素材に適切な堅牢度があり、かつ色が見本に合っていること」が要求されます。「適切な堅牢度(ここ重要です)が満たされない商品は売り物にならない」というのが日本のアパレル企業にかかわっている染め屋の一般的な認識だと思います。

 実はこの「何をもって適切な堅牢度というのか」を判断するというのは私たち染屋にとっても非常に難しい問題です。目標とする堅牢度によって使える素材も染料も大きく制限されてしまうことになりますから。色落ちが絶対に許されないなら使える素材はポリエステル、しかも染法は高圧染色法に限られてしまうでしょう。染料選びも慎重にならざるをえません。けれどもA.F.EのHPに来られた皆様ならお分かりいただけると思いますが、一般の手芸素材にポリエステルなどの合繊の比重は少ないのではないでしょうか。やはり綿などの天然繊維が主流です。
 ではその綿に要求される「適切な堅牢度」はどの程度なのでしょう?
 私の個人的な見解を述べるなら「60℃程度の石鹸水に入れて、どの程度の色落ちがあるか」で、私は判断しています(あくまで目安ですが)。もし、この検査でお湯が著しく汚れるようなら、適切な染を行っていない可能性が高いと私は考えます。というより、そのように上からの教育を受けてきました。
 日常生活の中で「お湯を使って洗濯をする」というご家庭はあまりないと思いますので、この検査はやや条件が厳しいものかもしれません。だからこそ、この検査に通るのなら、一般的な使用に耐えてくれると、そう言うことなのでしょう。

 前々回のお話の三番目の色落ちを重視しない商品というのは、色目を重視している商品といったほうがいいかもしれません。特にこのような商品は海外のものが多く、そしてだからこそ、色使いの感性が日本のものと異なっていて見ていて楽しい、と私は個人的に思っています。これもまた個人的な意見ですが、いい色を出してきています。本当に。実際、私もこれらの商品から、かなり悩ませていただきました。
 堅牢度を問題ではないかという人もいるかもしれませんが、これはこういう商品だと、割り切っていただいたほうがよいように思います。時々、これらの商品の色落ちを治す方法はないかというご質問を受けるのですが、ちょっと難しいと思います。
 下手に色止め処理を行えば、元の色目を崩してしまいかねません。
 Fix剤で処理しても、効果が薄かったりもします。
 リスクを考えると、やはりそのままお使いいただくのがよいでしょう。これらの商品は「色落ちがしやすい」という風に記述されているのがほとんどですので、用途によって使い分けをしていただければと。

 中には独自に色落ちを止める方法を書いてある商品もあるようです。
 う~ん……。
 
 前置きに比べて本編が圧倒的に短いですね(ぇ。
 ちょと、次からは内容をもう少し吟味していと思います。

 それでは皆様、次のブログでお会いしましょう。
 失礼いたしました。

遠藤染工場 Colour Lab / Art Fiber Endo 商品企画室