2010年8月17日火曜日

五山送り火にて

ブログをご覧の皆さま、こんばんは。
 暦の上では立秋も過ぎ、一応この暑さを残暑と呼べる時期になったようです。……残暑。7月からさらに暑くなっても残暑。そろそろ言葉を現実に近づけるべきなんじゃないでしょうか。続暑とか。
 今日も空調と扇風機に挟まれないと作業できないA.F.E商品企画室からお届けします。 
 関東のほうも最高気温を日々更新し続けているようですが、京都も暑い日が続いております。今週は一週間、毎日36℃を超えるそうです。もはや暑すぎて声も出ません(ぇ。最近は熱中症で倒れられる方も多くいらっしゃるそうで。皆さまも暑い日は水分と塩分の補給をお忘れなきよう……。
 さて。
 皆さま、今年のお盆はどこかに遊びに行かれたでしょうか? 私も連休が始まる前は出かける気満々だったのですが、あまりの暑さで「……まぁ、今年はいいかな……」と挫け、結局出かけたのは二日だけ。あとは空調の利いた部屋でのんびりと、たまりにたまった小説を消化する日々を過ごしました(推理小説とか気に入った作家の新刊が出たら買うのですが、一気に読んでしまわないと気が済まない性格ですので、普段は読めません。そのため小説のストックは溜まる一方で^^;)。たまにはこういう休日もいいものです。

 お盆休み最終日は五山送り火。
 五山送り火は大文字焼きの呼び名があるように大の字が有名なのですが、わたしが見に行ったのは「鳥居」。ここ数年、私が見に行っているのはすべて鳥居ですね。では、皆さま、写真を交えて送り火をお楽しみくださいませ。

                     (広沢の池、東岸から鳥居を)

 市内中央から見える右、左大文字や船形と違い、嵐山近くで燃える鳥居の火は交通の便が少し悪いこと、それと鳥居の火を見るのなら他の火を見ることはまずできないことから、比較的見に来られる方は少ないかもしれません(右、左、船形は山が比較的高く、近い距離にあるため、たとえば右大文字を見に行ったあと、船形を見に行くこともできるのですが、鳥居は他の火から離れすぎているため、他の火を見ることはあきらめなけらばなりません。そのため送り火を見に来られる観光客の皆さまは右、船形、左大文字を見るために市内中央に集中する傾向が見られます)。
 上の写真は広沢の池、東岸から鳥居の方向を撮ったもの。画面中央の山から煙が出ていますが、夜に備えて種火を燃やしている最中のようです。
 ちなみに私がこの広沢の池に来たのはPM6:30。火がつく二時間前。さすがにこの時間なら写真撮れる場所、選び放題でしょうと楽観していたのですが。
 ……一人、ツワモノがいらっしゃる……。
 Nicon、D3Sのフル装備を三脚に備え付け、すでに鳥居の方角にスタンバイ。おそらくはサブとして使われのでしょう、首からはズームレンズを装着した一眼。さらに地面に置かれた鞄には別のレンズが見えます。三脚の後ろに簡易椅子を置き、狙撃兵かと突っ込みが入るのを待っていらっしゃるかのような面持ち。さらに問題なのは、私が目星をつけていた、まさにその場所にカメラを据え付けておられたわけで。
 ……負けた。すべてにおいて今年は負けてしまいましたよ……。
 これはもうしょうがない。ここまで気合を入れて写真を撮りに来られたのだから、清々しく場所をお譲りしましょう。私の場所じゃないけれど。私の場所じゃあないけれど(←シツコイ。近くにお住まいの方たちでしょうか、池のすぐ近くまで降りてビニールシートを広げられる方も。それでもまだ火がつくのは先とあって、人の数はまだまばら。今の間に何か飲み物でも買っておこうかなと、五分ほどその場所を離れて戻ってきたところ。
 ……別の狙撃兵の方がさっき私がいたところにカメラを据え付けていらっしゃるのですが(ぇ。
 これはあれですか。
 周りを歩いている人、実はカメラの設置場所を探してうろうろしている人たちばかりですかっ。すごすごとまた場所を変えます……。これは迂闊に離れられない……。
 火がともるまであと二時間弱。ここからは不動の覚悟で仁王立ち。団らんとした雰囲気で火がともるのを待つ家族連れの方々とは明らかに違う、絶対に楽しみに来てるんじゃないだろう、この人たちと思わせるような雰囲気を撮影組は醸し出していたのではないかと思います。……つ、疲れるorz。
                    (夕暮れ、鳥居中央に種火)
 そうこうするうちに日は少しずつ沈み、鳥居中央の種火が遠目に見えるようになりました。
 中央の種火のほかに、もう何箇所か種火をつくり、そこから周囲へと火を回すことで大の字や鳥居の形にしていきます。火の回りは早く、一度回れば5分かかりません。左大文字などは見る場所から比較的近くにあることもあって、松明を持って走る人の影を見て取ることができるのですが、鳥居はちょっと遠いですね……。双眼鏡とかをもってくればよかったかな、と少し後悔。
 種火がついたからすぐに火が回る、というわけではなく、ここからが長いのですが、第一段階は終了です。
                   (黄昏、鳥居の数か所に種火立つ)
 中央の種火のほかに数か所、新しく種火がたちます。たぶん、これでいつでも火を回せる状態になっていると思うのですが……。時間まで待機しているのでしょうね。PM8:20くらいまではここから動きはありません。さて、ここまでは鳥居にばかりカメラを向けていましたが、広沢の池へと向けましょう。池は今、こんな感じです。
                   (黄昏過ぎた広沢の池と鳥居)
 ブログには載せていませんでしたが、池の北岸から灯明が流され、風に流されるまま南岸へと広がります。写真右上、ぽつぽつと小さな光がともっているのが鳥居の種火、あとの光は灯明です。灯明の広がり方は風任せなので、密度の高いところ、低いところがでてきます。流し始めの北岸は光の帯ができたよう。風に散らされてやがて鳥居の下まで流れ着きます。
 ……思ったよりも今日は風が強いですね……。日中”そよ”とも吹かないくせにっ。さも「私は今すごく仕事をしています」とばかりに吹いています。鳥居の火がともる前に、灯明が池中央を超えている。これはすごくまずい!
 このっ! 風っ! 馬鹿っ! (←撮影組、心からの叫び)

                                  (鳥居燃ゆ)
 などという、こちらの願望はつゆ知らず、風も止まず。
 ……灯明、ほとんど南岸と北岸に分かれて流れ着いちゃいましたよorz。
 そんな中でようやく鳥居に火が。
 火が燃え始めてから鳥居を見に来る人の数はぐっと増えたようです。
 本当は灯明の日に浮かぶ鳥居を撮りたかったのですが……残念ながら今年もダメだったようです。
 
                         (五山送り火、鳥居)
 
 上の写真は火をつけて間もなくのもの。ここから時間が経つにつれ火はさらに鮮やかになり、そしてやがて消えていきます。もちろん火の勢いが一番強いときが一番の見どころだと思います。その一番の綺麗なときは是非、皆さま自身で。いつか京都に来られた時に是非見ていただきたいな、そう思います。デジカメの写真と実際に見た印象は全然違ってしまうんですよね……。私の腕が悪いせいも多々あるとは思いますし。
 五山送り火を見るベストな場所ですが(あくまで個人的な私見ですが)、
 右大文字 ……御所の中、中立売門から入って東へ少しのところ。
 船形    ……鴨川沿い、北山橋以北
 左大文字 ……千本北山周辺の車道
 鳥居    ……広沢の池、東岸
 
 妙、法はあまり何度も行ったことがないのでなんとも言えません……。
 もし来年の五山送り火に京都に来られることがありましたら、是非ご覧いただきたいと思います。
 というところで今日はここまでに。
 お付き合いいただきありがとうございました。
 次のブログでお会いしましょう。失礼しました。
Art Fiber Endo  商品企画室
 

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